「会社を破産させたいが、費用がいくらかかるのか不安だ」「そもそも今の資金で破産できるのか」「費用が払えなければ破産も諦めるしかないのか」——そのような不安を抱えて、このページにたどり着いた経営者の方へ。
タキオン法律事務所では、費用の総額・内訳・地域別の違いを全てこのページで透明に開示しています。さらに「費用を安く抑える方法(節約術)」と「費用が今すぐ用意できない場合の解決策(分割払い)」についても解説します。
費用の問題で会社破産を諦める必要はありません。
▼あなたの状況に合わせてお読みください
① 費用の総額・内訳をまず知りたい
② 費用をできるだけ安く抑えたい
③ 今すぐには費用が用意できない
▼会社破産の費用について動画でも解説しています。
会社破産(+代表者個人破産)にかかる費用の最低額は約125万円です。
まず3つのパターンで総額を確認してください。
| 費用の種類 | 金額 |
|---|---|
| 裁判所に納める費用 | 222,214円 |
| 実費預り金 | 7,786円 |
| 弁護士費用(会社破産の着手金) | 550,000円 |
| 合計 | 780,000円 |
| 費用の種類 | 金額 |
|---|---|
| 裁判所に納める費用 | 249,061円 |
| 実費預り金 | 10,939円 |
| 弁護士費用(会社破産の着手金) | 550,000円 |
| 弁護士費用(個人破産の着手金) | 440,000円 |
| 合計 | 1,250,000円 |
| 費用の種類 | 金額 | 割合 |
|---|---|---|
| 弁護士費用(会社破産) | 55万円〜 | 約44% |
| 弁護士費用(個人破産) | 44万円 | 約35% |
| 裁判所費用(管財人予納金・実費) | 26万円 | 約21% |
| 合計 | 125万円~ | 100% |
ポイント:費用の約8割は弁護士費用です。裁判所費用(約26万円)は、費用全体の2割程度に過ぎません。「裁判所への支払いが大半」というイメージをお持ちの方もいますが、実際には弁護士費用が中心です。
費用の総額は「裁判所に納める費用」と「弁護士に支払う費用」の2種類の合計です。
ここでは、東京地方裁判所の少額管財手続きを例に説明します。
※東京地方裁判所では、中小零細会社が自己破産する場合、破産管財人の業務量が少なく、かつ、弁護士が破産申立代理人につけば、ほとんどの場合に少額管財手続きとなります。
※他の裁判所については異なることがあります。
| 費用の種類 | 金額 |
|---|---|
| 予納金(官報公告費用) | 16,264円 |
| 印紙・郵券 | 5,950円 |
| 予納金(管財人報酬費用) | 200,000円 |
| 合計 | 222,214円 |
| 費用の種類 | 金額 |
|---|---|
| 予納金(官報公告費用) | 20,397円 |
| 印紙・郵券 | 6,450円 |
| 合計 | 26,847円 |
会社と経営者個人の自己破産を同時に申し立てた場合に「裁判所に納める費用」は、249,061円(222,214円+26,847円)となります。
会社の自己破産と同時に経営者個人の自己破産を申し立てる場合でも、予納金(管財人報酬費用)20万円が別途必要になることはなく、まとめて20万円で自己破産申立ができます。
予納金についての専門的説明は『破産手続の「予納金」とは何ですか?』をご参照下さい。
経営者であるご主人が個人破産をする場合で、住宅ローン・自動車ローンの連帯保証・連帯債務を負っている奥様も同時に個人破産をする場合、予納金(管財人報酬費用)は、20万円ではなく40万円が必要となります。
※「会社1社・個人2人」の計3件の場合だけではなく、「会社2社・個人1人」の計3件の場合も、同じく40万円が必要となります。
会社破産の費用は、申立先の裁判所(本店所在地の地域)によって異なります。 特に管財人予納金(破産管財人費用としての引継予納金)に大きな差があります。
例えば、千葉地裁の予納金は30万円で、東京地裁の1.5倍です。申立先の裁判所を選べる場合は、費用の面からも有利な裁判所を選ぶことが重要です。
| 法人 | 個人(管財事件) | 合計 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 官報公告費 | 郵券 | 収入印紙 | 官報公告費 | 郵券 | 収入印紙 | ||
| 東京地裁 | 16,264円 | 4,950円 | 1,000円 | 20,397円 | 4,950円 | 1,500円 | 49,061円 |
| 横浜地裁 | 18,543円 | 4,200円 | 1,000円 | 18,543円 | 4,200円 | 1,500円 | 47,986円 |
| さいたま地裁 | 14,786円 | 4,100円 | 1,000円 | 11,859円 | 4,100円 | 1,500円 | 37,345円 |
| 千葉地裁 | 18,543円 | 3,100円 | 1,000円 | 18,543円 | 3,100円 | 1,500円 | 45,786円 |
| 水戸地裁 | 18,543円 | 4,000円 | 1,000円 | 18,543円 | 4,000円 | 1,500円 | 47,586円 |
| 宇都宮地裁 | 18,543円 | 5,000円 | 1,000円 | 18,543円 | 5,000円 | 1,500円 | 49,586円 |
| 前橋地裁 | 18,543円 | 4,000円 | 1,000円 | 15,483円 | 4,000円 | 1,500円 | 44,526円 |
| 甲府地裁 | 18,543円 | 4,000円 | 1,000円 | 15,483円 | 4,000円 | 1,500円 | 44,526円 |
※ 「郵券(切手)」は債権者数によっても異なります。
(2026年4月1日時点)
| 裁判所 | 管財人予納金 | 実費 | 合計 | 東京との差額 |
|---|---|---|---|---|
| 東京地裁 | 20万円 | 49,061円 | 249,061円 | |
| 横浜地裁(神奈川) | 20万円 | 47,986円 | 247,986円 | -1,075円 |
| さいたま地裁(埼玉) | 25万円 | 37,345円 | 288,345円 | +39,284円 |
| 千葉地裁 | 30万円 | 45,786円 | 345,786円 | +96,725円 |
| 水戸地裁(茨城) | 20万円 | 47,586円 | 247,586円 | -1,475円 |
| 宇都宮地裁(栃木) | 20万円 | 49,586円 | 249,586円 | +525円 |
| 前橋地裁(群馬) | 20万円 | 44,526円 | 244,526円 | -4,535円 |
| 甲府地裁(山梨) | 25〜30万円 | 44,526円 | 294,526〜344,526円 | +45,465〜95,465円 |
| 東京 | 神奈川 | 埼玉 | 千葉 | 茨城 | 栃木 | 群馬 | 山梨 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 裁判所に納める費用・実費 | 26万円 | 26万円 | 31万円 | 36万円 | 26万円 | 26万円 | 26万円 | △36万円 |
| 日当(往復2回分) | 0円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 10万円 | 10万円 | 10万円 | 15万円 |
| 弁護士費用(会社破産:最低額) | 55万円 | |||||||
| 弁護士費用(個人破産) | 44万円 | |||||||
| 合計 | 125万円 | 130万円 | 135万円 | 140万円 | 135万円 | 135万円 | 135万円 | 150万円 |
※ 東京地裁・横浜地裁・水戸地裁・宇都宮地裁・前橋地裁は予納金が最低20万円で済みます。
※ 千葉地裁は予納金が30万円と最も高く、東京地裁と比較して約10万円の差があります。
※ 「日当」は、8つの地方裁判所の(約40に及ぶ)各本庁と各支部でかなり異なりますので、ここでは便宜的に5万円、10万円、15万円としておきます。
地域別の詳細は「会社破産の対応地域別ガイド(費用・手続き・管轄)」もご参照ください。
タキオン法律事務所では、費用を明確にホームページ上に開示しています。「弁護士費用がいくらかかるかわからない」という不安を持つ必要はありません。後から追加費用をご請求することも一切ありません。
タキオン法律事務所の費用は以下の2種類のみです。
| 費用の種類 | 内容 |
|---|---|
| 1.着手金 | 会社破産・個人破産を受任して管理することの対価。分割払い可能。 |
| 2.実費 | 破産手続き遂行のためご依頼者様に代わって立て替えたお金(切手代・交通費等)。 |
| 債権者数\ 債務額 |
~3千万円 | ~1億円 | ~2億円 | 3億円~ |
|---|---|---|---|---|
| 1~4社 | 550,000円 | 770,000円 | 1,100,000円 | 1,650,000円~ |
| 5~14社 | 880,000円 | 1,210,000円 | 1,430,000円 | 1,980,000円~ |
| 15~29社 | 1,210,000円 | 1,540,000円 | 1,760,000円 | 2,310,000円~ |
| 30~49社 | 1,650,000円 | 1,980,000円 | 2,200,000円 | 2,750,000円~ |
| 50社~ | 2,200,000円~ | 2,530,000円~ | 2,750,000円~ | 応相談 |
※ 実際の着手金は上記基準のまま決定することがほとんどですが、特殊要素によって増減することもあります。その場合もご依頼者様のご納得の上での合意となります。
※ 「営業が既に休止状態で、債権者数・債務額が少なく、店舗・事務所の明渡しなども済んでおり、業務量が特別に少ない」という特殊な場合は、特別費用をお見積もりします。 ※個人事業主の破産の場合も、上の会社破産を基準に弁護士費用をお見積もりします。
| 440,000円 |
※ 第三者への事業譲渡、遺産相続、離婚に伴う財産分与、不動産売却など複雑な金銭移動が伴う事案の場合は追加費用をいただく場合があります。
典型的な「東京地裁で会社破産と経営者の個人破産を同時申立する場合」を例にあげると、裁判所に納める費用249,061円+切手代・交通費などを合わせ、合計260,000円を実費としてお預けいただきます。
「会社を破産させたいが、手元に資金がない」と悩まれる経営者の方は少なくありません。しかし、事前の準備や申立の仕方を工夫することで、裁判所に納める予納金(破産管財人報酬としての引継予納金)や実質的な自己負担額を大きく抑えられる可能性があります。
本セクションでは、タキオン法律事務所が222件超の会社破産を手がける中で、実際に経営者の方々に実践いただいた「費用を安く抑えるための具体的な方法」を解説します。予納金・弁護士費用・実費の3つそれぞれに節約の余地があります。どれか一つでも実践することで、数万円〜数十万円(時には100万円以上)の負担軽減につながります。
| 節約方法 | 節約効果の目安 | 難易度 |
|---|---|---|
| 会社・代表者を同時申立にする | 予納金 20万円の節約 (別々40万円→同時20万円) |
低 |
| 申立前に賃貸物件の明渡しを完了させる | 引継予納金が最低額20万円に収まりやすい | 低 |
| 申立前にリース・レンタル契約を解約・引揚げする | 同上 | 低〜中 |
| 未払賃金立替払制度の利用 | 同上 | 中 |
| 在庫・原材料・什器備品の売却・廃棄 | 同上 | 低〜中 |
| 会社・個人所有の自動車・不動産の売却・廃棄 | 同上 + 個人の手持ちからの持ち出しゼロも可能 | 中 |
| 売掛金・敷金などを費用に充当する | 個人の手持ちからの持ち出しゼロも可能 | 低〜中 |
| 分割払い(毎月の積立)を利用する | 一括払い不要・着手金ゼロでも介入通知(受任通知)発送開始 | 低(当事務所で対応可) |
| 項目 | 対策なし | 対策あり | 節約額 |
|---|---|---|---|
| 管財予納金 | 40万円〜 | 20万円 | ▲20万円 |
| 個人からの持ち出し | 数十万円〜 | 0円も可能 | ▲数十万円〜 |
| 合計自己負担 | 高額 | 最小化 | 最大100万円超の差も |
上の一覧で「自分に関係ある節約方法」を把握した上で、以下の詳細をお読みください。
会社と代表者がともに破産する場合は、必ず同時に破産申立をしてください。
別々に申立をすると引継予納金は(最低額)40万円が必要になりますが、同時に申立をすると(最低額)20万円で済みます。これだけで20万円の節約になります。「会社の破産が終わってから、個人の破産を申立しよう」と考える方もおられますが、費用の面からは同時申立が圧倒的に有利です。
※但し、タキオン法律事務所の経験では、会社の緊急破産申立の場合、先に会社の破産申立を行って会社を破産管財人の管理権限下において混乱を回避してから、1~2週間以内に代表者個人の破産申立を行えば、同時申立として扱ってもらえます。(事前に裁判所に相談しておく必要があります。)
破産管財人の業務量が多ければ多いほど、引継予納金は多く必要となります。逆に言えば、申立前に会社の「身軽化」を進めておくことで、管財人の業務量を減らし、予納金を最低額に抑えやすくなります。
(なお、引継予納金が十分に確保できている場合は、資産保全の必要性から、身軽化をせずにできるだけ早く破産申立をすべきです。)
以下のうち、できるだけ多くを申立前に終了させておくと管財人報酬としての引継予納金を下げることにつながります。
申立時点で明渡しが完了していれば、管財人が立退き交渉・明渡し業務を行う必要がなくなり、予納金が最低額に収まりやすくなります。賃貸物件の数が多い会社ほど効果が大きいです。物件の解約通知は、弁護士に相談してから行う方が安全ではありますが、(営業停止の有無にかかわらず)退去日が決まっているような場合は、解約告知(解約予告)期間との関係から早めに解約通知をしておく方が戻り金(返還金)が増えるなどの利点があります。
リース会社への解約申入れと物品の引揚げが完了していれば、管財人がリース各社と交渉する手間が省けます。リース契約の数が多い会社では、解約手続きの進捗が予納金の金額に直結することがあります。
リースの場合と同じように、レンタル会社への解約申入れと物品の引揚げが完了していれば、管財人がレンタル各社と交渉する手間が省けます。レンタル契約の数が多い会社では、解約手続きの進捗が予納金の金額に直結することがあります。
従業員への未払い賃金がある場合、独立行政法人 労働者健康安全機構による「未払賃金立替払制度」を労働基準監督署で利用することで、会社に代わって国が立替払いをしてくれます。管財人がこの手続きを行う必要がなくなるため、業務量の削減につながります。
※ 「未払賃金立替払制度」について、経営者と破産申立代理人弁護士が絶対に見逃してはいけない事実があります。それは、「従業員の退職日(解雇日)」の翌日から6ヶ月以内に「破産申立」ができないと分かっている場合には、必ず6ヶ月以内に経営者自身(または元従業員)が「労基署への認定申請」をしなければいけない(未払賃金立替払制度が使えなくなる)ということです。タキオン法律事務所ではこれについて口を酸っぱくして経営者に伝えます。
弁護士
藤沢 裕一
社長、本件では破産費用がないため、1年以上の破産費用積立型となります。つまり、6ヶ月以内に破産申立は不可能なんです。ですので、社長(または元従業員)が労働基準監督署に行って未払賃金立替払制度の申請をして『事実上の倒産の認定』を受ける必要があります。ここからが重要ですので、メモを取ってくださいね。労働基準監督署は『なるほど、分かりました。じゃあ、破産申立後に破産管財人が申請するのでそれを待ちましょう』みたいなことを言います。ですので、絶対に『いえ、6ヶ月以内に破産申立はできないことが確定しています。破産費用がないので積み立てないといけないのです。だから、どうしても『事実上の倒産の認定』を受ける必要があるのです。絶対にです。』としつこく主張してください。担当職員の目前でもう呪文のように『6ヶ月以内に破産申立はできない』と三度唱えてもいいくらいです。これはもう仕方ないのですが、労働基準監督署としては破産管財人が申請してくれる方がはるかに楽なのです。きちんと書類を揃えてくれるので、労力が1/20で済みます。ですので何とかして破産管財人が申請してくれることを期待します。でも間に合わないのです。そのことを何度も何度も伝えてください。そうするとちゃんと『事実上の倒産の認定』を受けられます。
※「未払賃金立替払制度」の対象となる「倒産」には、裁判所での手続きを伴う①「法律上の倒産」(破産申立)と、裁判所を通さない②「事実上の倒産」の2種類があります。上記では②について述べています。
※ 参照「未払い賃金と未払賃金立替払制度」
申立前に換価・廃棄が完了していると、管財人が動産の処分業務を行う必要がなくなります。売却できるものは(査定をとったうえで)適正価格で売却し、その資金を破産費用に充てることも可能です(後述「会社資産の現金化」参照)。
産業廃棄物や不用品が残っていると、管財人がその処理を行う必要が生じます。申立前に処理業者に依頼して廃棄を完了させておくことが望ましいです。
車両は換価価値があることが多いため、売却できるものは(複数業者による正確・詳細な査定をとったうえで)適正価格で売却し、その資金を破産費用に充てることも可能です。また、管財人による売却・廃棄手続きが不要になることで、予納金の圧縮にもつながります。
※ 時々「AIに質問したら、事前に車を売却してはいけない、と回答されましたけど本当にいいのですか?」と聞かれることがあります。はい、「(複数業者による正確・詳細な査定をとったうえで)適正価格で売却」することには何の問題もありません。なぜなら「破産予定者の資産が散逸・流出した」ことにはならないからです。やってはいけない行為は「無償で譲渡する」や「適正価格よりも安く売却する」ことです。このような場合は「破産予定者の資産が散逸・流出した」ことになるからです。なお、身内間売買や友人知人との売買は特に厳格に(後で破産管財人によって)調査されることになるので、弁護士に相談する前に実行することは避けるべきです。
不動産が残っていると管財人の業務量が大幅に増えるため、予納金が高額になりやすいです。売却が可能であれば、(専門業者による正確・詳細な査定をとったうえで)適正価格で売却することが、予納金の節約と費用捻出の両面で効果的です。ただし、不動産の処分は弁護士との相談なしに進めると(特に身内間売買などで)問題が生じる場合があります。必ず事前に弁護士に確認してください。
※ 「破産申立の後」とは異なり、「破産申立の前」の場合、「個人の居住用の不動産を売却して3,000万円以上の売却益が出る場合、売却益への課税(譲渡所得税・住民税)が生じて、その課税分は免責されない」という危険がありますので、十分に注意する必要があります。(破産申立代理人弁護士がこれに気付かずに売却して最悪の結果が生じた場合、破産申立代理人弁護士には破産者に対する損害賠償責任が生じることがあります。)
※ 会社所有の無価値の不動産(抱き合わせ売買や付き合いで購入させられた二束三文の土地・建物)がある場合、破産管財人は会社所有のまま(あるいは所有権放棄をして)破産手続きを終了させることができないため、一般的には、破産会社の代表者に(1円でもいいので)買い取ってもらって登記移転をすることが実務上は多いといえます。これを先に実行しておくだけで破産管財人としてはコストが激減して非常に助かります。タキオン法律事務所の経験から、不動産業者の破産の場合、約10%ほどの確率でこのような無価値の不動産を抱えているのが実際です。
個人の手持ち資金からの支出を抑える方法です。会社に残っている資産を現金化し、それを破産費用に充てることで、経営者個人の財布からの持ち出しをゼロまたは最小限に抑えることができます。
最も多くの会社で活用できる方法です。
例えば、1週間後に200万円の売掛金が入金される予定がある場合、その入金日に直ちに引き出し、裁判所費用(約23万円)と弁護士着手金(55万円〜)に充てることができます。この場合、経営者の個人資産からの持ち出しはゼロで済みます。
※ 「売掛金が入金されたらすぐに費用に充てる」というタイミングを弁護士と事前に打ち合わせておくことが重要です。なお、回収できていない売掛金については、回収の可能性や時期を弁護士に事前に伝えておいてください。
旅行業者や宅地建物取引業者などは、開業時に供託金を納めています。廃業手続きに伴いこれが還付される場合は、破産費用に充てることが可能です。但し、返金手続きの開始から実際の返金まで、(官報公告掲載期間の6ヵ月が必須ですので)一般的に8ヶ月~10ヶ月を要します。
※ 「不動産業」の弁済業務保証金分担金の額(目安):60万円
※ 「旅行業」の弁済業務保証金分担金の額(目安):①第1種旅行業 1,400万円〜(取引額による)、②第2種旅行業 220万円、③第3種旅行業 60万円。
※ 旅行業・不動産業ともに、多くのケースで「60万円」ですが、タキオン法律事務所の経験では、実際の返金は(退会に伴う官報公告料の約7千円〜約2万円と退会等事務手続費用の約2万円などの諸経費が差し引かれた結果)、54万円~57万円が一般的です。
※ 返金手続きの詳細は、例えば「宅建 廃業 弁済業務保証金分担金 返金 手続き」などで検索すれば多くの解説ページを見つけることができます。
賃貸物件の明渡しが完了すると、敷金・保証金がオーナーから返還されます。返還額は原状回復費用を差し引いた額になりますが、これも破産費用に充てることができます。
※ 依頼者の方々から「滞納税のために税務署から敷金(保証金)が差し押さえられたのですが、大家さん(オーナーさん)に迷惑がかかりますか?」と聞かれることがありますが、大丈夫です。大家さん(オーナーさん)が優先され、滞納賃料や原状回復費用などのために使用した後で余剰金があれば、初めて税務署に持っていかれることになります。
預け入れた敷金・保証金のうち、契約終了時に返還されない費用のことです。退去時の修繕費や原状回 復費、いわゆる「後払いの礼金」としての性質を持ち、原則として返還されません。相場は、賃料の1 〜2ヶ月分または敷金・保証金の10〜20%が一般的です。
事業用物件(オフィス・店舗・倉庫など)の解約予告期間は、(居住用[1〜2ヶ月]に比べて長く)退去の「3〜6ヶ月前」に設定されるのが一般的です。契約通りに3〜6ヶ月前の告知をせずに「いきなり退 去」した場合、告知期間分の家賃(違約金相当額)の支払い義務が発生する、または敷金が全額または一部償却(没収)されるのが原則です。タキオン法律事務所の経験では、解約予告期間通りに告知する(破産)会社は約10%で、約90%は突然の営業停止(退去)を選択せざるを得ない状況です。
かつて高金利で借入をしていた会社の場合、過払金が発生していることがあります。弁護士が調査・交渉を行い、回収できた過払金を破産費用に充てることも可能です。
※ 2010年(平成22年)6月18日の法改正(改正貸金業法)により、法律の上限を超える違法な金利での貸し付けが禁止となったことから、同日以降に初めて借り入れを行った人には過払金は発生しません。また、最後の取引(完済または最終的返済)から10年が経過していると消滅時効が成立して請求できなくなります。タキオン法律事務所の経験では、近年の依頼者の方々で過払金が発生する事例は極めて少ないといえます。
費用を安く抑えるには「何をするか」だけでなく、「いつ相談・申立するか」も非常に重要です。この視点を持っている経営者は少なく、タイミングを誤ることで費用の工面が困難になるケースが多くあります。
前述のとおり、大口の売掛金入金のタイミングに申立時期を合わせることで、費用の捻出が格段に楽になります。弁護士への相談は入金前に行い、入金後すぐに費用に充てられるよう事前に計画を立てておくことが大切です。
※ 「売掛金の入金は毎月末に一括」という会社の場合はスケジュールを組みやすいですが、「売掛金は五十日(ごとうび:5日、10日、15日、20日、25日、月末など)ごとに入金される」という会社では少し大変になるとタキオン法律事務所の経験からいえます。(キャッシュフローとしては優れている点もあるのですが。)
※ 「日銭商売」(商品提供やサービスの完了と同時にその場で現金回収または即時決済するビジネスモデル)の代表とされてきた飲食店ですが、キャッシュレス化(クレジットカード・電子マネー・QRコード決済)によって売上が口座に振り込まれるまでの期間が長期化(平均15日強)しており、一部の飲食店では資金繰りに悪影響を及ぼしています。そのため支払いサイトを短期化するための決済代行業者が出現してきており、タキオン法律事務所の経験では、営業停止後の対処(残務処理)がこれまで以上に複雑化してきていると感じます。
「もうお金が全くない」という状態になってから相談すると、費用の工面手段が極めて限られます。少しでも資金が残っているうちに弁護士に相談することで、分割払いのプランを余裕を持って設計でき、選択肢が大きく広がります。「まだ大丈夫」と思っているうちに動くことが、結果的に費用を安く抑えることにもつながります。
ある経営者の方は、「もう少し頑張れば立て直せるかもしれない」と考え、弁護士への相談を6か月遅らせました。その6か月の間に、債権者への返済として多額の資金が流出し(3つの金融機関に合計月18万円×6ヵ月=108万円)、さらに生命保険の解約返戻金などの私財(合計45万円)も事業資金に投入してしまいました。もし6か月早く相談していれば、その返済分と私財の全て(合計153万円)を破産費用に充てることができ、個人の手元資金を守ることができました。「まだ早いかもしれない」と思った時が、相談の適切なタイミングです。
| 相談が6か月遅れた場合 | 早期に相談した場合 | |
|---|---|---|
| 債権者への返済 | 108万円流出 | 破産費用に充当可能 |
| 生命保険等の私財 | 45万円流出 | 破産費用に充当可能 |
| 合計損失 | 153万円の損失 | 0円 |
在庫や機械設備は時間が経つほど価値が下がります。経営を続けながら資産を消耗しきってしまうと、換価できるものが何も残らなくなります。換価できる資産が多いうちに弁護士に相談することで、その売却資金を破産費用に充てることができます。
「会社破産の手続き・流れを弁護士が完全解説【全10ステップ】」もご参照ください。
費用を抑えようとして取った行動が、後に重大な問題を引き起こすことがあります。以下のNG行動には絶対に注意してください。
「仲の良い取引先だけには迷惑をかけたくない」「親戚から借りたお金だけは返したい」という気持ちから、手持ち資金で特定の債権者にだけ返済することがあります。しかし、これは偏頗弁済(へんぱべんさい)として、後に破産管財人から否認権を行使され、受け取った債権者(取引先・親戚など)は同金額分を(時に訴訟提起までされて)管財人に取り戻される原因になります。そうなると、かえってその相手に迷惑をかける結果になってしまいます。弁護士に相談する前であっても、一部の債権者だけへの返済は絶対にしないでください。
詳細は「一部の債権者だけに返済をしてはいけない」をご参照ください。
「財産を隠せばその分を手元に残せる」と考えて、資産を隠したり、弁護士や裁判所に虚偽の申告をすることは絶対にしてはいけません。これは免責不許可事由に該当し、個人破産の免責が認められなくなる可能性があります。また、場合によっては破産犯罪として刑事責任を問われることもあります。
詳細は「弁護士に嘘をついたり資産を隠したりしない」をご参照ください。
※ 本事例は以下の「身軽化・現金化」の必要性と許容性という両方の条件(基準)を充たしたケースです。
「十分な引継予納金がどうしても確保できない」ことです。そのような場合は「破産申立前の身軽化・現金化」の必要性があります。
(逆に、「十分な引継ぎ予納金確保できる」事例では、会社資産の保全の必要性から、早急に破産申立をすべきです。裁判所からもそのような要請がありますが、これは債権者保護の観点から当然のことといえます。)
(次に挙げる事例のような)大規模案件とは異なり、事務所は1か所で、従業員は少数で、勝手に持ち 去られる商品・在庫などが存在しないようなケースでは、タキオン法律事務所の経験では、「破産申立 前の身軽化・現金化」を実行できる可能性は非常に高いです。
このように「身軽化・現金化」の必要性と許容性の両方を充たすケースにおいてこそ「破産申立前の 身軽化・現金化」によって破産管財人報酬としての引継予納金を低く抑える重要な意義があります。
受任から4日後に緊急破産申立をした事例です。
全国に5つの支店が存在し、72名の従業員がいて、債権者は630社という事案でした。このような事案では「破産申立前の身軽化・現金化」は不可能です。なぜなら、突然の営業停止をした時点で、多くの債権者が各支店にトラックで押し寄せて在庫商品などの独断での引き揚げ行為が横行してしまうなど無秩序なパニック状態が生じる危険性があるからです。「身軽化・現金化」している時間的余裕は皆無です。
本事例では、法律相談にご来所された翌日に最大の売掛金8,000万円超の入金予定がありました。翌日に経営者と取締役の方々に全額を引き出していただいて、そのまま全額をタキオン法律事務所の弁護士が預かり、(最低限度の破産書類を作成・提出して)直ちに破産申立を行い、即座に約8,000万円を破産管財人に引継ぎました。
本件のように、破産管財人にその業務の質量に見合った引継予納金を確保できる場合は、「破産申立前の身軽化」の必要性も許容性も全くないため、本件のように直ちに破産申立をすべきです。
なお、本件のようなケースで(仮に売掛金がなく)「少額管財の20万円でお願いします」と裁判所に破産申立をしても受理されません。あまりに破産管財人の業務量が膨大だからです。
「費用が用意できない」という状況でも、以下の3つの方法で対応できます。諦める前に、まず選択肢を確認してください。
| 方法 | 内容 | こんな方に |
|---|---|---|
| ① 売掛金の充当 | 入金予定の売掛金をそのまま費用に充てる | 近日中に売掛金入金予定がある |
| ② 資産の現金化 | 在庫・車両・不動産等を適正価格で売却して費用に充てる | 換価できる資産が残っている |
| ③ 分割払い | 毎月積み立てながら費用を準備する(着手金ゼロでも介入通知を発送) | 毎月少額なら払える |
この3つは組み合わせることも可能です。例えば「売掛金で一部を充当し、残りを分割払いで積み立てる」という方法もとれます。
分割払いの詳細(シミュレーション・タイムライン・Q&A)は「会社(法人)破産と個人破産の費用を分割払いにすることはできますか?」をご参照ください。
A. はい。無料法律相談の際に、経営者の方の状況(債権者数・債務額・資産・従業員数等)を伺った上で、費用の目安をお示しします。ですので、「自分の場合いくらかかるか」を相談の段階で確認することができます。
A. 着手金は、破産手続き終了の有無に関係なく返還されません。ただし、タキオン法律事務所から理由もなく委任関係を終了させることは絶対にありませんのでご安心ください。
A. 費用の捻出方法は、状況によって異なります。原則として、会社の残余資産(売掛金・在庫売却益・敷金返還等)から充てることが最も負担が少ない方法ですので、会社資産からの拠出を優先します。しかし、会社に資産がない場合は経営者個人の資金から払うことになります。分割払いを利用することで、個人の手持ち資金が少ない場合でも対応可能です。
A. あります。債権者数・債務額・会社の規模・拠点数・複雑な金銭移動がある場合などによって、弁護士費用が増額になることがあります。また、申立先の裁判所が千葉地裁・さいたま地裁の場合は管財人予納金が東京地裁より高くなります。法律相談時に具体的な金額をお示しします。
A. 非常に大きなリスクがあります。 「もう少し費用を貯めてから相談しよう」と考えている間に、債権者への返済・事業資金への投入・資産価値の低下などによって、本来費用に充てられたはずの資金が失われていきます。実際に、相談を6か月遅らせたことで合計153万円を失った経営者の方がいます(詳細は上記「3.タイミング②」参照)。費用が少ない状態でも、早期に相談することが結果的に費用を安く抑えることにつながります。
A. タキオン法律事務所の弁護士費用は、会社の規模・負債額・従業員数・拠点数などに応じた適正価格を設定しており、一律の値引きには対応しておりません。ただし、費用の捻出方法(分割払い・売掛金の活用・身軽化による予納金の圧縮など)については、経営者の方の状況に合わせて最大限のサポートをします。「費用を少しでも抑えたい」という気持ちはよく理解できますが、費用の安さだけで法律事務所を選ぶことには大きなリスクが伴いますのでご注意ください。
「会社破産に関する法律事務所の賢い選び方」もご参照ください。
A. はい、同時に活用できます。 例えば、身軽化によって予納金を20万円に抑えつつ、弁護士費用は分割払いで積み立てる、という組み合わせが可能です。この2つは「費用の総額を圧縮する方法」と「費用の支払方法を柔軟にする方法」であり、性質が異なるため、併用することで最大の効果が得られます。
詳細は「会社(法人)破産と個人破産の費用を分割払いにすることはできますか?」をご参照ください。
A. 問題ありません。売掛金は会社の正当な収入であり、それを費用に充てることは「資産の散逸・流出」には当たりません。否認されるのは「無償で譲渡する」「適正価格より安く売却する」「特定の債権者だけに返済する」といった行為です。売掛金を適正に回収して費用に充てることは、むしろ推奨される方法です。
例えば、税務署や年金事務所による売掛金の差押えが間近に迫っている案件では、破産申立時に裁判所が意図的に破産手続開始決定を早めることがありますが、それほどまでに売掛金回収を優先して、同資産を破産手続費用、破産財団の形成、債権者への配当に充てることを重視しています。
A. 必ず相談してから身軽化を進めてください。 身軽化の順序・方法・タイミングを誤ると、後の破産手続きに悪影響が出ることがあります。例えば、不動産を身内に売却してしまうと後で破産管財人に調査・否認される可能性があります。「何をどの順番でやるか」は弁護士との相談後に決めるのが原則です。
A. 保証はできません。引継予納金の金額は、破産申立時に事案の内容を精査したうえで、裁判所(裁判官)が最終的に決定するからです。ただし、身軽化を十分に進めておくことで「最低額に収まりやすくなる」というのが、タキオン法律事務所の経験からの実感です。身軽化の内容・進捗状況を法律相談時にお伝えいただければ、目安をお答えすることができます。
A. 法律上は可能です。しかし、会社破産において本人申立は現実的ではなく、お勧めできません。 会社破産の申立書類は個人破産と比較して格段に複雑であり、裁判所から補正(修正)を何度も求められ続けるケースがほとんどです。そして、お勧めできない最大の理由は、「結果的に弁護士に依頼するよりも破産費用が高額になってしまう」ことがほとんどだからです。代理人弁護士による破産申立と異なり、本人申立ではその準備過程において十分な適法性・妥当性のチェックが十分になされていないことから、裁判所は、破産管財人報酬としての引継予納金を100万円以上と決定します。このように、弁護士費用を「節約」しようとして本人申立を選ぶことは、かえって時間・費用・リスクを増大させる結果になります。
A. はい。東京地方裁判所での破産申立案件に限定されず、神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬・山梨の案件でも有効かつ効果的です。
| 都県 | 管轄裁判所 | 実績 | 詳細 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 東京地方裁判所(中目黒庁舎) | 151件 | 東京都の詳細 |
| 神奈川県 | 横浜地方裁判所(本庁・4支部) | 21件 | 神奈川県の詳細 |
| 埼玉県 | さいたま地方裁判所(本庁・4支部) | 23件 | 埼玉県の詳細 |
| 千葉県 | 千葉地方裁判所(本庁・7支部) | 22件 | 千葉県の詳細 |
| 茨城・栃木・群馬・山梨 | 水戸・宇都宮・前橋・甲府の各地裁 | 5件 | その他関東圏の詳細 |
| 内容 | 効果 | |
|---|---|---|
| 分割払い | 毎月の積立で費用を準備する | 今すぐ資金がなくても手続きを開始できる |
| 費用を安く抑える方法 | 身軽化・現金化・同時申立等 | 総額そのものを圧縮する |
「会社(法人)破産と個人破産などの分割払いは可能ですか?」もあわせてご参照ください。
「費用がないから破産できない」とご相談に来られる経営者の方は非常に多いです。しかし、222件の会社破産を手がけてきた経験から言えば、事前の準備と相談のタイミング次第で、ほとんどのケースで費用の問題はクリアできます。お金がないから諦めるという判断をする前に、一度ご相談ください。
相談のタイミングが6か月遅れただけで、その間の債権者への返済に充てた資金と、生命保険解約返戻金などの私財を全て失ってしまった経営者の方を、これまで何人も見てきました。早期にご相談いただいていれば、それらを全て破産費用に充て、個人の財産を守ることができたケースです。
早めにご相談いただくことで選択肢が広がります。まずは無料でご相談を。
タキオン法律事務所が、社長の再出発を費用面からも全力でサポートします。
執筆・監修:
代表弁護士 藤沢裕一(タキオン法律事務所)
東京弁護士会(登録番号 37689)
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