会社倒産手続きとは、会社が債務を弁済できなくなり、経済活動をそのまま続けることが不可能な事態(「倒産」)を処理するための手続き一般をいいます。マス・メディアなどでは倒産を一般に「経営破綻」とも呼びます。
会社倒産手続きは、大きく清算型と再建型に分かれます。
倒産処理手続きは大きく「清算型」と「再建型」に分かれます。
清算型とは、会社をたたむことを前提に、財産を処分して債権者に分配し、最終的に法人格を消滅させる手続きです。破産と特別清算がこれに該当します。
再建型とは、会社を存続させながら債務を整理し、事業の立て直しを目指す手続きです。民事再生と会社更生がこれに該当します。
また、裁判所を通さずに債権者と直接交渉する私的整理という手法もあります。
以下でそれぞれの手続きの概要を整理します。

| 清算型 | 再建型 | |||
|---|---|---|---|---|
| 手続き | 破産 | 特別清算 | 民事再生 | 会社更生 |
| 適用法 | 破産法 | 会社法 | 民事再生法 | 会社更生法 |
| 経営権 | 喪失 (破産管財人) |
維持。清算人 (元経営陣等) |
原則維持 (監督委員) |
喪失 (更生管財人) |
| 債権者 の同意 |
不要 | 必要 (2/3以上) |
必要 (過半数) |
必要 (2/3以上) |
| 対象 | 法人・個人 | 株式会社のみ | 法人・個人 | 株式会社のみ |
| コスト | 低〜中 | 低 | 高 | 極めて高 |
| 実務利用率 | 93%~95% | 3%~4% | 2% | 0.1%以下 |
会社が支払不能(債務を一般的・継続的に弁済できない状態)または債務超過(負債総額が資産総額を上回る状態)に陥った場合に申し立てる手続きです。裁判所が選任した破産管財人(裁判所が選ぶ中立の弁護士)が会社財産を管理・処分し、債権者に公平に配当します。
債権者の同意は不要であり、一部の債権者が反対しても手続きを進めることができます。中小企業の清算手続きとして最も広く利用されています。
株式会社のみが利用できる清算手続きです。解散した株式会社が債務超過の疑いがある場合などに、裁判所の監督のもとで清算を進めます。
破産と異なり、手続きは会社が選任した清算人(多くは元取締役)が主導します。債権者の同意(議決権の3分の2以上)が必要ですが、その分手続きが簡易で費用も安く済む場合があります。ただし、株式会社以外の法人(合同会社等)には使えません。
会社を存続させながら、債務を大幅に圧縮して再建を目指す手続きです。原則として現経営陣が指揮を執りながら再生計画を立案します。再生計画は、債権者の過半数かつ債権額の過半数の同意で可決されます。
中堅・中小企業を念頭に置いた手続きであり、事業に継続価値がある場合に選択されます。ただし、「倒産手続きの一種」として対外的に公表されるため、取引先・金融機関との関係に影響が出る点は避けられません。
(現在ではほぼ利用されていませんので割愛いたします。比較一覧には記載があります。)
裁判所を通さず、金融機関等の債権者と任意に交渉して債務を整理する手続きです。対外的に公表されないため、取引先への影響を最小限に抑えられる点が最大のメリットです。
ただし、全債権者の同意が必要であり、一人でも反対すれば成立しません。また、準則型私的整理(中小企業再生支援協議会・事業再生ADR等)と純粋私的整理(任意交渉)に分かれ、内容は案件によって大きく異なります。
会社破産は清算型に分類されますが、会社の事業または一部の事業が利益を出しているような場合、その事業を活かすために会社破産手続きに事業譲渡を絡めて、再生の手段として会社破産手続きを用いることができる場合があります。
破産するA会社のうち採算事業だけを別の会社Bに譲渡し、B会社から対価を受け取ってA会社の債権者に配当して、A会社を清算するという方法です。
詳細についてはタキオン法律事務所の無料相談をご利用ください。
| 倒産年月 | 社名 | 負債額 | 倒産手続き | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2000年10月 | 協栄生命保険(株) (生命保険業) | 4兆5296億円 | 更生(特例)法 |
| 2 | 2008年09月 | リーマン・ブラザーズ証券(株) (証券業) | 3兆4314億円 | 民事再生法 |
| 3 | 2000年10月 | 千代田生命(相) (生命保険業) | 2兆9366億円 | 更生(特例)法 |
| 4 | 1998年09月 | (株)日本リース (リース・金融) | 2兆1803億円 | 会社更生法 |
| 5 | 2001年09月 | (株)マイカル (スーパー) | 1兆6000億円 | 民事再生法 |
| 6 | 2010年01月 | (株)日本航空インターナショナル (旅客運送、貨物事業) | 1兆5279億円 | 会社更生法 |
| 7 | 2017年06月 | タカタ(株) (自動車部品製造) | 1兆5024億円 | 民事再生法 |
| 8 | 1997年04月 | クラウンリーシング(株) (総合リース業) | 1兆1874億円 | 破産 |
| 9 | 2022年06月 | マレリホールディングス(株) (自動車部品製造) | 1兆1330億円 | 民事再生法 |
| 10 | 1996年10月 | 日榮ファイナンス(株) (住宅ローン保証) | 1兆円 | 商法整理 |
| 11 | 2001年03月 | 東京生命保険(相) (生命保険業) | 9802億円 | 更生(特例)法 |
| 12 | 2000年05月 | (株)ライフ (信販・クレジット) | 9663億円 | 会社更生法 |
| 13 | 1996年11月 | 末野興産(株) (不動産業) | 7160億円 | 破産 |
| 14 | 2000年07月 | (株)そごう (百貨店) | 6891億円 | 民事再生法 |
| 15 | 2010年09月 | 日本振興銀行(株) (銀行業) | 6805億円 | 民事再生法 |
| 16 | 2010年01月 | (株)日本航空 (空運業) | 6715億円 | 会社更生法 |
執筆・監修:
代表弁護士 藤沢裕一(タキオン法律事務所)
東京弁護士会(登録番号 37689)
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