回答:「必ず守られる」とは限りません。理由は「否認」との関係です。
「おしどり贈与」とは、婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産やその購入資金を贈与した場合に、基礎控除110万円に加えて最大2,000万円まで贈与税が非課税になる特例(贈与税の配偶者控除)の通称です。
※ 主な目的は、長年連れ添った配偶者への生活安定(と生前贈与による相続税対策)です。
この「おしどり贈与」によって、不動産の所有権は配偶者に移り、通常であればなんの問題もありません。
しかし、これが破産手続きにおいては、破産管財人による「否認」の問題となることがあります。無償行為否認(破産法160条3項)や詐害行為否認(同160条1項)です。つまり、「破産者が支払不能になった後、またはその前6ヶ月以内にした無償行為(贈与)」や「(贈与が6ヶ月より前であっても)債権者を害する意図(借金返済を避ける目的)で行われたとみなされる場合」には、「おしどり贈与」は否認されて(取り消されて)、不動産は「破産財団」に戻されることになります。(配偶者が不動産の時価相当額を破産財団に組入ることが可能な場合を除いて、同不動産は破産管財人によって換価されて、債権者への配当原資などになります。)
結局、会社破産との関係では、資金繰りが苦しくなるなど経営不振状態での「おしどり贈与」は、(代表者個人の債務返済状況と強い関係があるため)上記否認の対象となる可能性が高いといえます。
よって、経営状態に特に問題がない時点での「おしどり贈与」は問題ありませんが、経営不振状態での「おしどり贈与」は否認の対象となることから、「必ず守られる、とは限らない」という結論です。
※「実績222事例」参照:タグ「おしどり贈与」でいくつかの事例をご確認いただけます。
執筆・監修:
代表弁護士 藤沢裕一(タキオン法律事務所)
東京弁護士会(登録番号 37689)
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