自由財産の拡張とは、破産者の生活の経済的更生を図るために、裁判所が、本来的自由財産に該当しない財産についても自由財産とする(破産者の自由財産の範囲を広げる)ことです。
破産者の個別の事情に応じて、一定の財産を自由財産として取り扱うことで、破産者が自由に処分できるようになります。
自由財産の拡張の判断に当たっては、以下が考慮されます。
また、裁判所は破産管財人の意見も聞き、自由財産の範囲の拡張を認めるかどうかを判断します。(多くの裁判所では、あらかじめ一定の拡張基準や処理方法を定めたうえで運用をしており、一定の予見可能性や公平性の確保が図られています。)
個人破産の同時廃止事件でも自由財産拡張は認められていますか?
いえ、あくまで一般的にはですが、個人破産の管財事件においてのみ認められています。
例えば、破産者が生命保険を解約して、その返戻金が300万円あった場合を考えてみます。
個人破産の全費用67万円(弁護士費用44万円+実費3万円+管財人引継予納金20万円)を差し引くと、手元に233万円が残ります。本来であれば、現金99万円のみが本来的自由財産として手元に残すことができ、残り134万円(233万円-99万円)は破産管財人に引き継ぐ(破産財団に組み入れる)必要があります。
しかし、当該破産者には、認知症で要介護の認定を受けている同居の実母(82歳)がおり、破産者以外の介護ではパニックを起こすために破産者は就労が困難であるという事情がある場合、裁判所は破産申立代理人の自由財産拡張の申立てにより、134万円についても自由財産として認めるというような場合です。
破産者に浪費などの免責不許可事由があっても自由財産拡張が認められることはありますか?
はい、あります。破産者に免責不許可事由があることは、自由財産拡張を認めるか否かの判断において不利に考慮すべき事情にあたらないとされています。
では、破産者に否認対象行為があっても自由財産拡張が認められることはありますか?
はい、あります。免責不許可事由の場合と同じく、破産者に否認対象行為があることは、自由財産拡張を認めるか否かの判断において不利に考慮すべき事情にあたらないとされています。
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