破産手続開始に関する公示(登記・登録・公告)はどのように行われますか?

1.破産手続開始に関する登記・登録(3種類)

①及び②は破産者であることを明らかにし、③は当該財産について当該破産者が既に処分権をもっていないことを公示するものである。
以上の3種類の登記等は、裁判所書記官が職権で管轄登記所(登録所)に対して嘱託することによって行われる(破258条1項、262条)。
(※なお、「法人の破産者の破産財団に属する登記等のある権利に関する破産手続開始の登記等の制度」は平成16年の破産法改正により廃止された。)

2.各論

① 法人の破産者に関する破産手続開始の登記

法人について破産手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、破産者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に破産手続開始の登記を嘱託する(破257条1項)。
なお、この破産手続開始の登記には、破産管財人の氏名又は名称及び住所のほか、破産管財人の職務の分掌許可があったときはその旨等も登記しなければならない(257条2項)。登記事項に変更が生じた場合も同様である(同条3項)。

② 個人の破産者に関する破産手続開始の登記

個人について破産手続開始の決定があった場合において、破産者に関する登記があることを知ったときは、裁判所書記官は、破産手続開始の登記を嘱託する(破258条1項1号)。

③ 個人の破産者の破産財団に属する権利に係る破産手続開始の登記・登録

登記

個人について破産手続開始の決定があった場合において、破産財団に属する権利で登記がされたものがあることを知ったときは、裁判所書記官は、破産手続開始の登記を嘱託する(破258条1項2号)。

登録

鉱業権(鉱業法59条)、特許権(特許法66条)、実用新案権(実用新案法14条)、商標権(商標法18条)、自動車(道路運送車両法4条)などの個人の破産財団に属する権利について登録がある場合は、登記に関する規定が準用され、裁判所書記官は、職権で破産に関する登録を嘱託する(破262条)。

3.破産手続開始に関する公告(略)

条文

(法人の破産手続に関する登記の嘱託等)
第二百五十七条 法人である債務者について破産手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。ただし、破産者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。
2 前項の登記には、破産管財人の氏名又は名称及び住所、破産管財人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに破産管財人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各破産管財人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。
3 第一項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。
4 第一項の債務者について保全管理命令が発せられたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、保全管理命令の登記を同項に規定する登記所に嘱託しなければならない。
5 前項の登記には、保全管理人の氏名又は名称及び住所、保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨並びに保全管理人が職務を分掌することについて第九十六条第一項において準用する第七十六条第一項ただし書の許可があったときはその旨及び各保全管理人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。
6 第四項の規定は、同項に規定する裁判の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。
7 第一項の規定は、同項の破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。
8 前各項の規定は、限定責任信託に係る信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。この場合において、第一項中「当該破産者の本店又は主たる事務所の所在地」とあるのは、「当該限定責任信託の事務処理地(信託法第二百十六条第二項第四号に規定する事務処理地をいう。)」と読み替えるものとする。

(個人の破産手続に関する登記の嘱託等)
第二百五十八条 個人である債務者について破産手続開始の決定があった場合において、次に掲げるときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、破産手続開始の登記を登記所に嘱託しなければならない。
一 当該破産者に関する登記があることを知ったとき。
二 破産財団に属する権利で登記がされたものがあることを知ったとき。
2 前項の規定は、当該破産者につき、破産手続開始の決定の取消し若しくは破産手続廃止の決定が確定した場合又は破産手続終結の決定があった場合について準用する。
3 裁判所書記官は、第一項第二号の規定により破産手続開始の登記がされた権利について、第三十四条第四項の決定により破産財団に属しないこととされたときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。破産管財人がその登記がされた権利を放棄し、その登記の抹消の嘱託の申立てをしたときも、同様とする。
4 第一項第二号(第二項において準用する場合を含む。)及び前項後段の規定は、相続財産又は信託財産について破産手続開始の決定があった場合について準用する。
5 第一項第二号の規定は、信託財産について保全管理命令があった場合又は当該保全管理命令の変更若しくは取消しがあった場合について準用する。

(登録のある権利への準用)
第二百六十二条 第二百五十八条第一項第二号及び同条第二項において準用する同号(これらの規定を同条第四項において準用する場合を含む。)、同条第三項(同条第四項において同条第三項後段の規定を準用する場合を含む。)並びに前三条の規定は、登録のある権利について準用する。

破産法
会社破産に強い弁護士のサポートで再出発を!
ご安心ください!弁護士のサポートで再出発を!

お問い合わせの前に必ず『法律相談の流れ』をご確認ください

破産に関するご相談は24時間受付

お問い合わせの前に必ず『法律相談の流れ』をご確認ください

会社破産の解決事例 適切な分割払いが可能 ある会社の自己破産ストーリー お客様の声 会社破産のよくある質問66 タキオン法律事務所の採用情報
会社破産の無料法律相談 0120-8383-97 メールで連絡する