負債総額 1億2,000万円
東京
従業員: 5名
債権者: 63社
個人破産(結果:免責許可)
解決までのスケジュール
受任~申立
2ヵ月
申立~終了
3ヵ月
債権者破産を背景に?
東日本大震災の発生によって売り上げが急減し、回復の見込みがなかったため破産を決断されました。
本件の特筆すべき点は、会社から数百万円の代表者貸付を受けていた代表者が、高齢であることを理由に個人破産の申立をしなかったことから、破産管財人が、代表者個人の(自らの意思による)自己破産申立を強く要請したことにあります。
本来、破産は「権利」であって「義務」ではありません。しかし同時に、「債権者破産」(債権者が主体となって裁判所へ強制的に破産申立をする制度)という制度もあります。
本件で破産管財人が代表者個人の自己破産申立を強く要請した論理は次の通りです。
「破産会社が社長にお金を貸しています。私は破産管財人としてそれをあなたから回収する義務があります。訴訟提起をしてまでも、です。しかし、もしあなたが個人破産をするのであれば、あなたは債務を免責され、私には回収義務がなくなります。それが最も自然です。」
この論理は筋が通っています。
本件では、会社破産の引継予納金が十分であったため、(一般的には高額になりがちな)「債権者破産」が可能でした。つまり、破産管財人は代表者個人に対して債権者破産を申し立てることができたという事情もありました。簡単に言いますと、「私は破産管財人としてあなたに対して債権者破産を申し立てることが可能です。しかし、それでは破産財団から費用を使用することになり、債権者の利益に反します。あなたが個人破産をすればそのような事態にはなりません。私が債権者破産を申し立てた結果としてあなたが個人破産となるのも、あなたが自身の意思で自己破産申し立てをして個人破産となるのも、結論は同じなのですから、費用がかからない個人の自己破産の申し立てをしてください。」ということです。
(この主張は、先述のように、会社破産の引継予納金が十分であることが前提となっています。同引継予納金が十分でなければ、「あなたが個人の自己破産申立をしなくても、最終的に私は債権者破産を申し立てることができ、結果的には同じです」と言えなくなるからです。)
結果的に代表者はその要請を受け入れ、自らの意思で個人破産を申し立てることにし、債権者集会は無事に1回で終了しました。
※上記のような要請は、「会社破産の引継予納金が十分な破産管財人」だけが可能であり、そうでない破産管財人はもちろん、破産申立代理人にも当然不可能です。(破産申立代理人が代表者個人に「個人破産もした方がメリットが大きいですよ」と個人破産を推奨することはあっても、それを拒否する代表者に個人破産申立を強制するようなことはまずありません。)
※破産管財人は、破産者(破産会社・破産個人)の破産財団に属する財産の管理・処分をする権利を専属的に有します(破産法第78条第1項)。
会社破産に関する
無料法律相談を受け付けています
タキオン法律事務所では、会社破産(とそれに伴う個人破産)に関して、2時間の無料法律相談を受け付けています。平日の夜・土日祝も対応可能です。私たちは日々の返済と取り立てに追われて心苦しく辛い日々を送っている経営者の味方です。まずはお気軽にご相談ください。

破産管財人から代表者個人の破産申立を強く要請された珍しい事例です。